※この投稿は
「今年読んだ一番好きな論文2016」 Advent calendarの12月21日の記事です。
(わざわざ手描きにしたのに結局著作権が危うい絵を描いている)
どうもこんにちは、
博士論文(仮)を提出したばかりのぴちぴちのD3、@calicolicaliです。学生最後ということで、院生しか登録できないAdvent calendarに登録させていただきました! ʕ◔ϖ◔ʔ
「統計について」という事前コメントをしましたが、 私の専門はアルゴリズム寄りの
Computational Biologyで、これまではRNA二次構造予測ソフトウェア
ParasoRの開発や、配列アラインメントソフトウェア
LASTの開発に関わらせていただいたりしてきました。(ご興味あればぜひ!)しかしこの分野では「網羅的な遺伝子データや配列情報を扱うためには統計や機械学習が必要!」ということで、日々これらの分野の勉強をしております。
そんな私が紹介する、今年読んだ一番好きな論文はこちら(`・ω・´)つ
"Estimating the reproducibility of phychological science"
Open Science Collaboration.
Science 349.6251 (2015): aac4716.
去年の8月にサイエンス誌に投稿された論文ながら、Google scholarではすでに652本のサイテーションがなされています。
ざっくり解説
この論文は心理学の分野の3つのジャーナルに2008年に出た
約100の実験的な相関解析に対して再実験を行い、どのような実験・結果であれば再現性が得られるのかということを調べた論文です。元論文の97%で有意なp値が得られていたものに対して、
再現実験では有意とされたものは37%、95%信頼区間に入ったものが47%、元論文のデータと組み合わせても
最終的に68%までしか有意性を確かめられなかった、という報告がなされました。
この論文は発表後様々な研究者によって正当性を検証するコメントや論文がでており、そして、最近Natureなど大手の雑誌でも心理学に加えて生物学など様々な分野での
Reproducibilityに関する記事が書かれ注目が集まっています。この論文はその流れを大きく加速させたといっても過言では…
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